今回お話しするのは、子どもの爪噛みについてです。
子どもの爪噛み……悩みますよねー。
なんだか静かだなーと思ったらガジガジガジガジ……
嚙みすぎて深爪になってるよー、爪切りが必要ないよー、これはひどい、
でも、どうやってやめさせたらいいの?
というわけで、とりあえずインターネットで検索してみると、
爪噛みの原因は「ストレス」「ただ癖になっている」。
……ちょっと待ってください。
「ただ癖になっている」って、ちょっと納得できなくないですか?
そもそも、どうして始まったの?どうして癖になるまで続けているの?と思いませんか?
その理由と対処法を知るためには、爪噛みを身体的な要因から考える必要があります。
今ご覧になっている皆さんは、自分の爪をかじったことはありますか?
爪を噛むと、どんな感じがするのか……考えてみてください。
爪って、かたいですよね?
噛むと、多少歯ごたえがありますよね?
お子さんが爪を噛むことを繰り返す場合、
このような“歯ごたえ”や“顎の筋肉を強く使う”感覚を求めている可能性があります。
大人の中にも、“かためのグミが好きで、つい食べちゃう”とか、
“運転で眠くなったときはガムを食べます”という方、いますよね?
お子さんも似た理由で、且つ無意識に、より強い欲求で、この感覚を求めている場合があります。(検索:爪噛み 感覚統合)
あー、何か噛みたい……落ち着かない……頭がぼんやりする……
お、ちょうどいいところに、ちょうどいいかたさのものが……
あ、爪噛んでる、となるということです。
しかしこれは無意識なので、お子さん自身も説明できませんし、自分でやめることも難しいんです。
ではどうしたらいいのか?
お子さんの体を害さない方法で、この感覚を満たしてあげてください。
例えば、歯科専用のガム。
ガムを使う場合は、キシリトール100%のものがおすすめです。(検索:歯科 ガム)
かたいグミでも良いのですが、糖分の摂りすぎが心配ですしね……
もしできるなら、こんな練習を入れてみるのも良いです。
ガムを右側で10回カミカミ……舌でガムをお引越しして、左側で10回カミカミ……
また右側で10回カミカミ……
もしお子さんが、口に指を入れてガムを移そうとしたり、
頭を傾けてガムの位置を変えようとしたら、それは不器用さんのサインです。
顎の筋肉や舌の運動が不器用なお子さんは、話し方が舌ったらずだったり、
食べものを丸のみしていたりすることがあります。
せっかくですから、ついでにトレーニングしちゃいましょう。
他にも、ガムを口の中でもぐもぐして、「右と左、どっちに入っているでしょう!」とクイズを出し合うのもありです。
頭を傾けたら、どっちに入っているのかばれちゃいますからね。
唇を閉じてもぐもぐできたら、より難易度アップですね。
ただし、「こっちでしたー!」と口の中を他人に見せるのはマナー的にNGなので、
「家の中で練習するときはいいけど、他ではしないよ」などの説明を、
前もってしてあげてください。
体質・年齢的にガムはちょっと……ということであれば、
シリコンやゴム製のキーホルダーや、100均の指サックなどでも代用できます。
ただしお子さんによっては、何でもどこでも口に入れてしまうようになると、周囲から引かれてしまいますね。
そのような可能性がある場合には、「これは練習用だから口に入れても良いよ。他のものはやめようね。もしうっかり口に入れてしまったら、洗うか拭くかしようね。」ということを子どもに教えてあげてください。
また、誤って飲み込んでしまうとか、雑菌が傷口から入ったなんてことにならないように、
安全面および衛生面には充分注意してください。
爪にとどまらず、鉛筆のおしりなどかたいものをがりがりする場合には、
チューイングネックレスなどもおすすめです。(検索:チューイングネックレス)
今回は、爪噛みについてのお話をしました。
お子さんによっては、ストレスなどの心理的な要因だけでなく、
身体的な要因によって爪噛みをしている場合もあります。
お子さんの現状にあった対処方法を見つけて、爪噛みを減らしていけると良いですね。